この章ではオートマチック車の運転の急加速と急発進時の措置について学習します。
学習する内容は「オートマチック車において急加速ができる事や、急発進してもすぐにに車を停止できる事」です。
急加速と聞くと怖いイメージがありますが、高速運転での追い越しや合流などで使う機会がありますので車の運転操作のひとつとして覚えておきましょう。
キックダウンについて
MT車でギアのシフトダウンをおこなうシーンというのはよくあるかと思います。同様に、AT車で同じようなシーンに出くわした場合にはキックダウンというテクニックを使うことになります。
「AT車ってDに入れてアクセル踏むだけだからギアチェンジなんかしないでしょ?」と、AT車にギアがないと勘違いしている方も多いのではないでしょうか。もちろん、AT車にもギアはあります。MTというのは「マニュアル・トランスミッション」の頭文字をとったもので、自分でギアを変えるということです。
一方で、ATというのは「オート・トランスミッション」の頭文字をとったもので、自動的にギアを切り替えてくれるということなのです。AT車の場合は自動ででギアチェンジしてくれるので楽に運転することができるわけです。
肝心のAT車での急加速についてですが、非常に簡単でアクセルを一気に踏み込むだけです。そうすると、自動的に低いギアに切り替えてくれます。車が一気に加速していきますので、気分としてはかなりいいものです。
イメージとしては4速で走行していた所、3速に切り替えて加速してくれる。といった感じでしょうか。ただ、そう頻繁に使う技ではありません。あくまでも、いきなりキックダウンした際に驚かないように知っておくべき知識ということなのです。
キックダウンはその名前からもわかるように、アクセルペダルを蹴って、ギアを下げることを指します。名前のインパクトと経験したときの爽快感からも比較的覚えやすいのではないでしょうか。ただ、いつでもキックダウンが有効かと言うとそうではありません。平坦な道路から急な上り坂に差し掛かったとき車の速度が落ちてきます。
当然スピードを出そうとアクセルをベタ踏みしてもキックダウンせず加速できないことがあります。いくらアクセルを踏んでもスピードが出ないことになるのであせることもあるでしょう。
こんなときはシフトレバーを「D」から「2」へ手動で切り替えることで対応することができます。「2」レンジに手動切り替えすることで低いギアを使うことになるのでキックダウンの効かない上り坂に有効でしょう。
ただ、ずっと「2」レンジのままでは速度が伸びないので平坦な場所になったら手動で「D」レンジに手動切り替えが必要です。合宿免許での教習所内コースではキックダウンをすることはできないので、場合によっては高速教習で高速道路を運転する際にこのキックダウンを使うことがあるかもしれませんので、覚えておきましょう。
段差での練習
オートマチック車の運転の急加速と急発進時の措置では、10cmくらいの段差のあるところで車をあえてつっかえさせ、その段差をのぼるといったことも経験することになります。
たかが10cmと思うでしょうが、実際に乗り越えようとすると結構な具合でアクセルを踏み込まなければなりません。のぼった瞬間にかなりの衝撃を感じることになりますが、実際に運転をするようになればこういった経験も日常茶飯事になります。
指導する方によって、何を言うのかというのも違ってきます。ここでどのような指導があるのかはそのときになってみないとわかりません。ただ、オートマチック車の運転の急加速と急発進時の措置においては、あくまでも経験させるということが目的になります。
具体的に試験で何をするということはありませんので、「こういうこともあるのか」という程度で楽しんでおくといいでしょう。もちろん、遊びではありませんので気を抜かないようにしましょう。
急発進時の措置で大切なことは情況判断でしょう。急発進した先には必ずブレーキを踏んで停止する。もしくは速度を緩めるといった動作が必要になるからです。
段差を乗り越えるといった動作は自動車免許を取得して実際に公道を運転するときにはよくある出来事です。なので、合宿免許での練習期間でしっかりと体験しておくとよいでしょう。
急発進するとどうなるのか、どの程度アクセルを踏むとよいのかなど最初はびっくりするかもしれませんが、これも大切な運転技術なんです。